学生さんからいただいた質問【2】
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事前に書面で、jive宇都宮[笠原健一]宛てにお寄せいただいたご質問に回答いたします。
10.一番の幸せは何ですか
夜、発作が起きて目が覚めてしまうことがあるので、ぐっすり眠れた日があると、幸せだなぁ、と感じます。
妻の手料理を食べたり、家族、友人と過ごしたりする時間も幸せです。アルバイトという形で仕事をいただいているので、働くことができる、ということも幸せに感じます。
11.一番の思い出は何ですか
どんな思いを込めて、歌(『ゲリラ』)を作ったのですか
23歳くらいのときに、中学校の同級生と一緒に、バンド活動をしたことです。
20代前半から、僕の心とからだは不安定になっていました。それでも、頑張りたい、自分のため、人のため、社会のため役に立つような仕事がしたい、『ゲリラ』はそんな気持ちを込めて作りました。当時の自分の魂の叫びだったように思います。
12.どんな気持ちで毎日を過ごしていますか
正直、たいへんなことになっちゃったなぁ、と思って暮らしています。できれば夢であって欲しいです。いろいろ頑張りたいことはあるのですが、頑張ると発作が起きてしまうので、焦りと、葛藤の日々です。
13.生活の中で大きく変わったこと、考えなどありますか
「今を大切にしよう」という気持ちが強くなりました。次の瞬間、どうなるか分からないからです。
未来が見えないという事実は、病を得る前も後も変わらないのですが、実際、あまりにもあっけなく、発症前に自分がしがみついていた「現実」が崩れてしまったので、今を一生懸命生きる、ということが、からだに染み付いています。
たいしたことはできないけれど、「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えるくらいはできるので、自分を支えてくれる人に、とにかく、たくさんの「ありがとう」を伝えています。
14.自分らしくいるために支えになっているものは何ですか
病を得て、いろいろなものを失ったけれど、家族はいるし、妻もいるし、友人もいるし、新しい出会いもたくさんあるし、とにかく、僕は人との出会いに恵まれた人生を送っています。
周りが、手を伸ばして、僕とつながってくれるからこそ、僕は、僕として生きていくことができる、と思っています。
15.自分の気持ちを一番素直に伝えられる存在は誰ですか
妻です。
16.支えられている言葉、詩、うたがあれば教えてください
日本の哲学者である、三木清さんが書いた『人生論ノート』を僕は、高校生の頃から何度も読んでいます。強い影響を受けていると思います。いつも鞄に入れて持ち歩き、迷ったときは、ページを開きます。
好きな歌はたくさんあります。特に、「サンボマスター」の『光のロック』という曲が好きです。危険を承知で野外ライブに行き、その迫力に、発作を起こして倒れたことがあります。
気持ちが落ち込んだときには、自分たちのバンドで作ったCDを聴きます。『トラック野郎の歌』という曲です。「余命宣告.com」のホームページに載せています。
17.夢は何ですか
本屋さんで、自分が書いた本を、自分で知らないふりをして買うことです。
18.生きることって何だと思いますか
「生きるってなんだろう」という問いを持つこと自体に、特段の価値は無いと思います。別に、そんなこと考えなくても、生きていけるからです。
でも、「生きるってなんだろう」という問いに出会った人にとっては、「生きる」ということについて考え続けることが、「生きるってなんだろう」という問いかけへの答えになると、僕は考えています。
僕も、もちろん、「生きるってなんだろう」という問いに出会ったうちの、ひとりです。
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(2008.12.13 笠原健一[jive宇都宮])